2013年06月03日

休日のアレコレ


前回の続きです。

法律上の期間の末日が祝日、休日のときは、期間の最終日が翌日にずれるとお話しました。

ここでいう休日について、少し補足しておきます。
民法142条では、期間の末日が日曜日、祝日、その他の休日に当たるとき、その日に取引をする習慣があるときを除き、期間の満了が翌日までずれるとしています。

ここでいう祝日とは、祝日法( 国民の祝日に関する法律)で決められた日のことです。
では、142条でいうところの「その他の休日」とは何か?

これは特別の約定や事情がない限り、土曜日や三が日・お盆など、社会通念上休日として扱われる日と理解して差し支えないと思われます。
(参考:最判平11.3.11)
ただし、業界の慣行や取引の態様によっては、土曜日を営業日として扱うこともあり得ますので、あくまで一般的な話になりますが。

そこで今回作成した期間計算プログラムでは、土曜日を休日として扱っております。

話を元に戻します。
上に書いたルールがあるがゆえに、期間計算をするには、期間の末日が休日か否かを判定しなければなりません。

土曜または日曜に当たるかについては、何の障害もありません。
ExcelだとWEEKDAY関数を使えば簡単に実現できるし、JavascriptではgetDayメソッドがそれと同じ機能を提供しています。

祝日法のことは上でちらっと触れましたが、

内閣府のページに詳しく解説されています。

これを見ると。祝日はその求め方により3つのグループに分けることができます。

1,日付が決め打ちされているもの
1月1日 元日
12月23日 天皇誕生日 など

2,曜日で指定されているもの
1月の第2月曜日 成人の日
7月の第3月曜日 海の日 など

3,春分の日、秋分の日
春分日、秋分日

最後のグループだけ、具体的日付の指定方法が定められていません。ではどのようにして決めているのかというと・・・
国立天文台が、毎年の天体観測の結果を「暦象年表」という冊子にまとめています。その冊子を元に政府が閣議決定し、毎年2月に発行する官報に、翌年までの春分の日・秋分の日が発表されます。

なぜこのようなプロセスを経るかというと、 地球の運行状態が将来変わる可能性があり、そうなると春分日なども変化してしまうというのが理由のようです。

国立天文台のページ

そのため、春分の日と秋分の日に限っては、2年後までの確定分しか知ることができないことになります。
それだと不便なので、3年後以降の春分の日、秋分の日は予測値で得られる日付を採用することにします。

また、祝日法には振替休日のルールも決められています。
1,日曜が祝日の時は、直近の平日が振替休日になる
2,祝日と祝日にはさまれた平日は、振替休日になる

以上の知識を前提に、プログラム上で実装する方法を次回の記事で書きたいと思います。

↓埋め合わせの布袋さん
休日のアレコレ


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